舞鶴市議会9月定例会最終日。FM問題などの理由で令和3年度一般会計補正予算に反対。

こんにちは、舞鶴市議会議員の鴨田秋津です。

昨日をもって9月定例会が閉会しました。第63号議案から第84号議案までの全議案が可決。私達の会派では第63号議案 令和3年度一般会計補正予算の1議案に反対し、その理由をしっかり討論で申しました。

討論とは、市長から提案された議案に対してなぜ賛成(反対)するか。その理由を述べる場です。
市民の代表である議員は、当然のことながら議案に賛成するにも反対するにも責任が伴うわけで、本会議の場で議事録が残る場で是非について発言する責務あると私は思っていますし、舞鶴市議会では積極的な討論を推奨しています。

さて、第63号議案 令和3年度一般会計補正予算に反対した理由を抜粋します。

まず、情報発信力強化事業費について

この事業は、国の補助金を活用し、迅速かつ確実な情報伝達が必要なPAZ地域、津波のおそれがある外海沿岸地域、度々浸水被害を受ける加佐地域において、情報伝達手段の重層化を図ることを目的とした事業でしたが、予期せぬ要因で基準を満たす無線電波の送受信ができないことが判明したことから、本来支出する必要がなかった、一般財源と地方債併せて1,990万円を追加支出し、応急的に、有線で整備した後、加佐地域に新たに無線受信局を設置し、五老ヶ岳固定局から加佐中継局への無線通信を可能とする環境を整備するための事業費が補正予算として提案されたものです。

本来であれば、5月に放送開始とされていた本事業ですが、中継局が正常に作動していない事実が6月の新聞報道で明るみとなり、以降、私たちの会派ではこの件を問題視し、その理由や経緯、今後の方向性について、これまでから議会で詳細な質疑を行ってきました。

また、この問題点についてより理解を深めるために、免許人であるFMまいづる(有本積善社)が主催する議員向けの説明会(ほとんどの議員が参加していない)にもすべて出席し、舞鶴市、FMまいづる双方からの話をしっかり聞いております。

失敗には必ず原因があります。その原因を追究する中で、FMまいづるへのヒアリングによると、FMまいづる が免許申請書の事前チェックを総務省に依頼していた段階で、FMまいづるは問題が発生する可能性を市に示唆しており、他業者による再検討を助言していましたが、舞鶴市は再検討を行わず先に進めたということでした。

これが事実であれば先に述べましたが、本来1,990万円という余分な経費は不要だったと考えられます。そういった経緯がある中で、市の「実際にやってみなければ分からなかった」との答弁はどうなのか、税金を使う発注者として許されるのでしょうか。

そしてこの度、実績が少ない無線システムを更に追加導入せざるを得ないという代替案が示されましたが、二度と失敗を繰り返すことのないように、この手法について十分に議論されたうえでの予算計上であったのか、ここがポイントでした。しかしながら当事者であるFMまいづるに事前に相談されることもなく、かつ委員会質疑においても、「100%無線化できるとは言えない」との不安定な答弁でありました。

本来であれば、今回の補正がどのような経緯で計上されたのか、もっと十分な時間をかけて真相究明すべきであること、さらには、同じような過ちが繰り返えされることのないように、関係各所は連携を密にして100%責任あるシステム導入を検討していただかなければならないことからすると、この補正予算はとても認める訳にはいかないところです。

災害はいつ起こってもおかしくないといわれる昨今では、これまで大きな洪水被害を受けてきた加佐地区の安全安心の確保のためにも、行政の「知らせる努力」と住民の「知る努力」災害に備える努力は待ったなしであることを重く受け止めれば、一日も早い防災体制の構築が急がれるとから、補正予算を認めざるを得ない所もありますが、私たちの会派としましては、予算計上の真相が曖昧になることのないように、さらに究明していきます。

 

次に、施設改修事業費について

この事業の内容は、本年7月より定額制で始まったごみ搬入受付手数料の徴収を、公平性の観点から、搬入量に応じた手数料を負担する従量制へ移行を図るため、従量制移行時における搬入導線の検討及び必要設備の選定等の調査を実施する事業費で、清掃事務所及びリサイクルプラザの施設改修事業費として一般財源からそれぞれに300万円の計600万円が予算計上されました。

そもそも、ごみ搬入時の有料化の目的は、昨年9月定例会での説明にありましたように、第一にごみそのものの減量、更には、大型連休や年末等に、直接搬入する車両が集中するため周辺道路が慢性的に混雑することから、その緩和が目的のひとつでした。

ごみの直接搬入に係る有料化については、昨年の9月定例会におきまして、市長から条例改正案が提案され、議会において賛成多数で可決され、現行が施行されている経過があります。私たちは、ごみの直接搬入に係る有料化には一定理解を示していたものの、本会議の市長答弁で、直接搬入手数料の徴収方法は従量制へ移行するよう検討していくことが突如として明らかになりました。そのことから、立案当初との相違があり、制度設計が不確実な状態かつ改正ありきの条例を、易々と通すわけにはいかないとの理由で反対した経過があります。

こうしたことから、本年の7月から有料化が実施されておりますが、現在のごみの減少率について委員会で質疑したところ、3ヵ月が経過した現在、ごみの搬入量は無償であった前年度同期と比較して、清掃事務所67%減、リサイクルプラザでは71%減と、ごみの減量に大きな成果が出ていることが判明し、更に、車の混雑等、施設側の課題についても特にないことが分かりました。

こうした結果を見ても、当初の目的、ごみ処理に対する課題が一定解決に向かっているように感じますが、従量制への移行が本当に必要なのか、経費削減の観点においてもそのように疑念します。
また、従量制に移行するための「試算はしていない」との答弁でしたが、試算をせずに施設改修を進める。このような計画に市民の皆さんは理解を示されるでしょうか。

確かに、公平性の観点からすると従量制も理にかなっているとも言えますが、現在の定額制の中で、よりごみの減量に効果的な手法を検討することで、余分な施設改修費を捻出しなくてもすむ。そのような無理のない直接搬入を検討することが必要ではないでしょうか。

こうした予算は、ごみ搬入受付手数料の有料化から3ヵ月が過ぎた現在の状況や、今後の見通しをしっかりと検証すること。従量制へ移行するにしても、先ずは、その必要性、検証結果を踏まえ、現状認識を改め、ごみの受け入れ方法、そのためにどのような設備が必要なのかを検討するための費用でなければならない。そのように考えます。

よって、はなから従量制ありきの計画、補正予算案を認める訳にはいきません。

以上2つの事業に対する理由から補正予算に反対しました。