こんばんは。舞鶴市議会議員の鴨田秋津です。
一般会計補正予算など21議案を可決・同意して12月定例会が本日閉会しました。
高浜発電所1、2号機の再稼働を求める舞鶴商工会議所からの請願を賛成多数で採択。
合わせて舞鶴市議会として再稼働を容認する決議が賛成多数で可決されました。
私は、再稼働に一定理解を示しているものの、現時点では請願を採択することを判断するには、時期尚早と考えて議場で継続審査を要求し、動議が成立(1名以上の賛成で成立)しましたが、結果的に賛成少数で否決されましたので、結論として再稼働を求める請願には反対しました。
▼継続審査を求める動議をし、動議に対する質疑に回答している場面です。
以下私の考えです。
(自身が述べた反対討論から抜粋)
原発を再稼働することで生じるリスクは、言うまでもなく、福島事故以来、安全神話が崩壊し、事故が起こった時の代償は計り知れないということ。100%事故は起きないと、誰1人断ずることができません。
一方で、再稼働しないことで生じるリスクは、多くの原発が停止し、震災前と比べて電気料金が家庭用で約23%、産業用でも約25%アップし、経済的に大きな負担となっている現実、エネルギー自給率の低下による海外依存度の上昇、あるいは気候変動問題に対応できないという現実。そして舞鶴市のように立地自治体に隣接するまちにおいては、そこで働く多くの方々の雇用はどうするのか。
私は、それらを総合的に踏まえた上で、現状においては再生可能エネルギーの不安定さを補完するベースロード電源が必要という認識を持っています。そしてこの度、国の新規制基準適合によって安全性が確認された高浜発電所 1、2 号機の再稼働は、やむを得ないという判断をしておりますが、将来的には脱原発すべきとの立場であります。
しかしながら継続審査を求めた理由を2点申し述べます。
まず1点目ですが、市長は12月8日の本会議場において、高浜発電所の再稼働については、「市議会や住民の意見を十分に踏まえ総合的に考慮し、責任ある判断をしていきたい」と答弁されております。
まず1点目ですが、市長は12月8日の本会議場において、高浜発電所の再稼働については、「市議会や住民の意見を十分に踏まえ総合的に考慮し、責任ある判断をしていきたい」と答弁されております。
そこで、市民への説明の場として、12月6日に説明会が開催されたと理解しています。その場にいた方だけでなく、インターネットやDVDの貸し出しを実施され、市民に広く公開し、そして市民の皆様から意見や質問を募集し、その内容が議会に示されたところです。
出された質問に対しては、「市民からの質問等には国と関電に分かりやすく説明するよう求める」と市長は答弁されました。
しかしながら20名の方からいただいた、延べ94件の質問やご意見に対する国や関電からの回答は、現時点で全ての回答及び公開には至っておりません。
しかも、一部の回答についても昨夜(12月24日)に公開されたばかりで、22日の委員会審議においては、全ての質問・意見に未回答のまま審議が進められました。私達は何を持って住民の意見を踏まえたと判断できるのか。
最低限この度のクエスチョンに対するアンサーを全て示した上で、議会においても審議すべきで、それをまず踏まえるというのが、民主主義の在り方ではないか。それらを確認した上で、いただいた請願に対して是非を判断することが、手続きとして正当ではないかと考えます。続いて継続審査を求めたもう1点の理由を申し述べます。本市は、全国で唯一、立地県以外で5キロ圏に入る自治体であるにも関わらず、いまだ同意権がない本市では、これまでから立地自治体と同様の同意権を求めてきております。
そればかりではなく、避難道路におけるインフラ整備や地域振興においても、財政支援などの面で、立地自治体と同様の対応を国に対して求めております。
平成27年に本市は、京都府、関西電力と「高浜発電所に係る舞鶴市域の安全確保等に関する覚書」を締結し、これにより関西電力に対して意見を伝えることができ、関西電力が回答義務を負う体制が整ったものの、先ほど述べましたような、様々な部分において、立地自治体と同様の対応には至っていない現実があります。
再稼働となれば、絶対にあってはならないけども、万が一の事故というリスクを背負っているのは立地の高浜も舞鶴も同様であり、なぜ対応に差がつくのか。舞鶴市民は不安を抱えております。
国や関電に意見要望を発信し続けることは私達議会の重要な責務です。
そしてもっとも大事なことは、要望に対して、誠意ある対応の確約を明確に得ること。それがリスクを背負う舞鶴市民に対して、最低限、政治が成すべきことだと私は考えます。
同意権がある福井県知事が「年内に判断することはない」と発言されている中で、同意権がない本市議会が、市民から出た意見への回答も不十分のまま、リスクに対する具体的支援の保証がない現時点において、高浜原子力発電所の再稼働を容認することは、時期尚早だと考えます。
同意権がある福井県知事が「年内に判断することはない」と発言されている中で、同意権がない本市議会が、市民から出た意見への回答も不十分のまま、リスクに対する具体的支援の保証がない現時点において、高浜原子力発電所の再稼働を容認することは、時期尚早だと考えます。
よって、繰り返しますが、高浜発電所1・2号機の再稼働に関する請願に異論はなく、再稼働に一定理解は示すものの、その是非を判断するには更なる時間が必要という立場から、継続審査を求めたものの、否決されましたので、やむなく反対します。
▼反対討論の模様です
※覚書を「かくしょ」と読んでしまっています。お恥かしい限りです。