高浜発電所が立地する高浜とトンネル一つで隣接する舞鶴。全国で唯一府県を跨いでPAZが存在。

こんにちは。舞鶴市議会議員の鴨田秋津です。

今日は高浜発電所が隣接する舞鶴市の状況について書きます。
舞鶴市は立地自治体(原子力施設がある都道府県市町村)以外で唯一PAZ(原子力発電所からおおむね半径5km)、全市域がUPZ(おおむね半径30km)に入っております。

 私は令和2年12月定例会で、舞鶴商工会議所から提出された【高浜発電所1・2号機の再稼働に関する請願】に対し、継続審査を求めたものの否決されたため、反対した経緯があります。

継続審査を求めた理由は2点

①市民から出た意見への回答が不十分なこと。
②リスクに対する具体的支援の保証が国や関電からないこと。

①について
 当時市長は高浜発電所の再稼働について、「住民の意見を十分に踏まえ総合的に考慮し、責任ある判断をしていきたい」と答弁しています。また市民への説明会が開催された際には、出された質問に対して、「市民からの質問等には国と関電に分かりやすく説明するよう求める」と答弁していました。
 しかしながら20名の方からいただいた、延べ94件の質問やご意見に対する国や関電からの回答が出ぬまま審査を進めることとなったため、最低限Q&Aを全て示した上で議会において審議すべきで、それをまず踏まえることが手続きとして正当ではないかという理由。

②について
 舞鶴市は全国で唯一、立地県以外で5キロ圏に入る自治体であるにも関わらず、いまだ同意権がありません。これまでから立地自治体と同様の同意権や避難道路におけるインフラ整備や地域振興においても、財政支援などの面で、立地自治体と同様の対応を国に対して求めておりますが、様々な部分において立地自治体と同様の対応には至っていません。
 万が一の事故というリスクを背負っているのは立地の高浜も舞鶴も同様であり、なぜ対応に差がつくのか。国や関電に意見要望を発信し続けることは私達議会の重要な責務。そしてもっとも大事なことは、要望に対して誠意ある対応の確約を明確に得ること。それがリスクを背負う市民に対して、最低限政治が成すべきことという理由。

 

 この②の問題について、我が日本維新の会、京都の堀場幸子衆議院が昨日(令和4年4月7日)に行われた衆議院原子力問題調査特別委員会において、質疑されました。

以下、概要をまとめました。

(堀場衆議院議員)
 舞鶴市について質問する。舞鶴市は福井県の高浜原発より5キロ圏内に立地しているが、府県を跨いでいるが故に、リスクと支援のバランスが福井県の他のエリアと比べ良くない現状がある。まずこの状況について説明願う。

(答弁)
 周辺の立地自治体及び周辺自治体には、原発を建設し長年運転していくためには、地元の方々ご理解ご負担をかけることから、これに対する交付金として「電源立地地域対策交付金」を交付している。高浜町を1とした場合、立地県内の隣接市町村が5割、立地県外の隣接市町村(舞鶴含む)は2.5割だったが、これを平成29年に2.5割から4割に引き上げた。このように実情を踏まえて交付金の配分には一定の配慮を行っているが、引き続き舞鶴市の皆様方の声に耳を傾けながら電源立地地域対策交付金に加えて、地域振興の支援などにもしっかり取り組んでまいりたい。

 

(堀場衆議院議員)
 行政区分で支援が違うことはわかるが、科学的なリスクは変わらない。府県の境という人間が恣意的に引いた線のせいで、支援の内容が異なる。2.5割が4割になったけれども、支援の内容に差がある。(立地県内の隣接市町村5割、立地県外の隣接市町村4割)この1割の差は大きい。またそれだけではなく、立地自治体ではないことで適合しない交金があると聞いている。なぜ府県を跨ぐと支援の金額が変わるのか。科学的、合理的な判断をしていただけない理由についてお答え願う。

(答弁)
 立地自治体から距離が離れるにつれ危険度は段々軽減していく。同時に行政や市民生活は行政区分を前提にしている。市町村の合併統合も進み、市町村の形も変わってきている。生活をしている方々の安全度、風評や進めていく上での課題をどう乗り越えていただけるのか。バランスを取りながら考えていかなければならない。バランスが悪かった2.5割を4割に改善してきたが、交付金はひとつのツールである。様々な地域振興策を含めて改善の余地がないか、引き続き検討を続け、しっかりとした支援を続けたい。

(堀場衆議院議員)
 県境を跨いでPAZが存在し、全域がUPZ内にある日本で唯一の都市が舞鶴。他の周辺自治体と同じように、避難計画を含む緊急時の対応の取りまとめも行っている。にもかかわらず、再稼働に関する同意見もなく、該当しない交付金もあると言うのでは、あまりに公平性に欠ける。できるだけ早く、せめて周辺自治体と同じ基準にしていただきたく強く要望する。

 

この件は本日(令和4年4月8日)の京都新聞でも取り上げられています。

 堀場衆議院の質疑は大きな一歩だったと思います。このように、地域の実情や要望を聞き取り、すぐさま国会で取り上げていただけることは政党の強み。国会議員が頂点ではなく、地方議員も横並びで役割分担する。これが維新です。これからも市議会ではどうにもならないような課題を、府議会議員、国会議員と共有し、しっかり連携しながら舞鶴に貢献していきたいと思います。

堀場衆議院議員の質疑動画です↓