舞鶴文化公園体育館にレスリング場が完成 柔道とレスリングについて

公共のスポーツ施設である舞鶴文化公園体育館に、京都府内で唯一レスリングマットを常設したレスリング場が完成し、令和3年2月1日より共用が開始されました。
東京オリンピックにおいて舞鶴市は、柔道競技・レスリング競技のウズベキスタン共和国のホストタウンでもあり、レスリング競技のますますの活躍が期待されています。

さて、レスリングといえば、世界大会16連覇、五輪3連覇という金字塔を打ち立てられた吉田沙保里選手を中心に、近年は特に女子選手の活躍が目立ちます。
レスリングは世界的に見ればメジャーなスポーツであり、世界最古のスポーツと呼ばれるほどの伝統があります。正確な数字ではありませんが、全世界で競技人口100万人といわれており、大国のアメリカ、ロシアをはじめとする旧ソ連圏、イランに人気があります。

柔道についても正確な数字はありませんが、ミズノの調査(2016年)によるとフランスで56万人、ドイツで18万人。そしてブラジルではなんと200万人といわれております。隣国の韓国も昔から強豪国で盛んです。そして近年はジョージアやイスラエルといった国が非常に力をつけており、世界200カ国以上で愛されています。
では両競技について日本での状況を調べたところ以下の通りでした。

柔道    約143,000人
レスリング 約 10,000人
※全日本柔道連盟、日本レスリング協会調べ

世界では人気の両競技ですが、日本では決して多いとはいえません。参考に国内のサッカー選手の登録数を調べてみますと約878,000人(公益財団法人日本サッカー協会調べ)ですので、サッカーがいかに人気スポーツであるかがわかります。

さらに女子選手のみを抜粋して比較してみますと

柔道    約28,000人
レスリング  約2,000人

通常スポーツでは競技人口の多さが選手層の厚さと比例するといわれています。
レスリングの場合、階級にもよりますが、そもそもインターハイに全47都道府県から選手が集まりません。2019年のインターハイでは、レスリング(女子)は全7階級中、すべての階級で20人を切っています。

柔道も深刻です。私が現役の頃は、柔道人口約20万人といわれていましたが、年々減少し続けております。

全日本柔道連盟登録人口推移 2004年~2019年

▼柔道人口の減少要因を的確に捉えた記事です
※2019年2月10日、judo3.0オンライン講座「なぜ柔道は年を取るとできなくなるのか~競技柔道が見失ったもの~」にて、兵庫教育大学准教授の有山篤利氏が講義されました。

競技力底上げのためには、やはり競技人口を増やすことが重要です。選手層が厚くなることにより、大勢の中でしのぎを削ることができます。そしてその為には、子どもの頃から練習ができる環境を構築することが大切で、優秀な指導者の存在と、練習ができる施設を整備することは不可欠であり、日本レスリングの底上げに舞鶴が寄与できるものと期待しています。

写真は2019年のウズベキスタン選手の合宿時